鎌倉街道下道ラン(保土ヶ谷-鎌倉)コンプリートの巻
12/9のこと。長年の懸案事項だった鎌倉街道主要三道ランのコンプリート(多摩川あたりまで)を目指し、鎌倉街道下道ランの続き、保土ヶ谷-鎌倉を走った。例によってルート詳細はマップに載せて省略。前回(9/9)ゴールした保土ヶ谷宿金澤横丁は金沢・浦賀往還(六浦まで鎌倉道と一緒)への出入り口で、4基の道標が立っている。右から「円海山之道(左面に「かなさわかまくらへ通りぬけ」)」「かなさわ かまくら道(左面に「ぐめうし道」)」「杉田道」「富岡山芋大明神社の道」。いずれも江戸時代の造立。江戸の昔は江の島・金沢・鎌倉がワンセットの観光地だったそうなので、金沢道も多くの人が往来したのだろう。なお、今回の推しは3つの峠越え。
ひとつ目はスタート地点。JR線を越えて国道1号線を渡ったらすぐに始まる石難坂(石名坂)から井土ヶ谷。横断歩道を渡ったら即激坂なので清々しいくらいだ。北向地蔵尊が祀られたピークまで、ほんの450mをヒーヒー
北向地蔵尊は「かなさわかまくら道」の追分で、地蔵尊の台座(名号碑)が道標を兼ねている。正面に「南無阿弥陀仏 是より左の方かねさわ道」右面に「是より右の方くめう寺道 天下泰平 国土安穏(?)」とある。弘明寺は金沢道の途中にあるが、この弘明寺道は岩井坂に向かって京急本線の西側に出るルートかな?と思う。
清水ヶ丘公園横を下って井土ヶ谷へ。蒔田橋手前の「井土ヶ谷事件跡」に、何度も見てて気になる青面金剛庚申塔道標(スタートから2km弱)がある。台座に二鶏、青面金剛の上部には日月、フルバージョンみたいな青面金剛像。その右面に「是より くみやうし かま久ら 道 尼将軍御影塔 六丁」、左面に「北 ほとかや 南 か祢さハ 道」。尼将軍御影塔は六丁≒654m、どこ?別の場所から移設された庚申塔と思われる。
上大岡駅前と環状2号線を過ぎ、新川橋信号から先は旧道に入る。この道筋には「かなさわ道」案内板が2か所あって、板面が綺麗なのは2か所目(スタートから8.7km)。最初の金澤横丁道標の行き先を記した地図が参考になる。
ふたつ目は、富岡・能見台から能見堂緑地越え。富岡で上り坂が始まってから峠を越えるまでが長い(10km先~13.1km)。能見堂緑地入口で11.5km付近。後で今昔マップなどを確認したら、消失した旧道は今回選択したルートよりも西側の尾根だった。
能見堂跡(12.5km)。能見堂から瀬戸神社に向かってカーブする旧道。このカーブの理由が能見堂の案内板で分かる。現在の金沢文庫駅と瀬戸橋の間が内海だったのだ。当時は「金沢八景」と名付けられるほど眺望がよく、左に野島、中央に瀬戸の内海、洲崎から瀬戸橋を渡って右に瀬戸神社の社叢、これらが一望だったそうだ。現在は能見堂前の休憩広場から木々の間に見える。
能見堂緑地の下り坂は独特の路面で面白い。作り物?って思いつつ金沢文庫の街へ。洲崎神社・瀬戸神社(琵琶島神社)前を通り、六浦藩陣屋跡をスルーして、概ね県道23号線を進む。武蔵・相模国境の鼻欠地蔵(界地蔵・17.7km地点)を過ぎたら徐々に上り坂。
台風被害の痕跡が残る熊野神社分岐。頂上の大切通は横浜・鎌倉市境。ここまでは前ふたつの峠越えより楽ちん。問題は、鎌倉市側の下り坂。
石剥き出し。湧水がそこかしこから流れ出す。怖っ!だから滅多に下り方向を選ばないのだ。いつもは上る一択だが、今回は鎌倉道ランだから、鎌倉にゴールしたかったのさ。それにしても、物流拠点・六浦湊と幕府・鎌倉をつなぐ重要な道なのに、このツルツル。往時はそうツルツルでもなかったのかもね。
足元を確認しながら、ゆっくり下る。麓が見えた!ラン!
国指定史跡朝夷奈切通の鎌倉市側口、三郎の滝に到着。わりと水量があるし、紅葉も綺麗 鎌倉は県内で最後に紅葉が見ごろになる場所、と言われる。
街道の難所はここまで。脚にキテたので、むしろなるべく止まらないように走った。鶴岡八幡宮東鳥居前にゴ~ル。22.4km/2:37:26NET ラン以外の巻は12/9の記事へ。長い挑戦がやっと終わった。お疲れさまでした
2019.5.1の鎌倉街道下道ラン この年、台風被害甚大で朝夷奈切通が通行止めになった。2021年12月に全面開通するもコロナ禍、躊躇しているうちに2023年。